magaminの雑記ブログ

カテゴリ:外国文学 > マルクス

剰余価値というのは、労働者が資本家のために無償で働く事により生み出す価値のことです。


商品はそれぞれに関係しあっていて結局価値体系を形成している、というのがここまでのマルクスの論理展開でした。労働者が自分自身を再生産するための必要な賃金、すなわち食べたり寝たりリフレッシュしたりさらに結婚して子供を育てたりするための生活資金を資本家は労働者に払います。そしてその分の価値が生産された商品に上乗せされて、その商品は商品の価値体系に参加しています。

美しい価値体系のカテドラル。

では資本家はどこから再生産のための資金を調達するのでしょうか?
結局、資本家は労働者にその価値体系にふさわしい以上に商品を造らせることによって剰余価値を得るわけです。
資本家は労働者に商品を造らせれば造らせるほど儲かります。ですから、資本家は資本家としての社会的力を利用して、労働者に長時間労働を強いるのです。

マルクスは、イギリスの19世紀前半における悲惨な長時間労働の例をこれでもかと挙げていきます。労働者は搾取されすぎで、その体格までも矮小になっていったというのです。

ここは考えどころです。

国家を支配するものが金儲けに走りすぎて国民の体力を損ねるような事があるならば、その国はどうなるのでしょうか。第一次世界大戦は1914年からです。総力戦の戦争において国民の体格が矮小であるというのでは、その国の滅亡は眼前に見える。
大戦前のあまりにも悲惨な搾取、二つの大戦による総動員体制。この二つの相矛盾する状態、その相克から現代の福祉国家というのは現れてきたのだろうと思います。
そうなると現代日本で私達がまがりなりにも文化的な生活をいとなめるのは、過去に苦しみながら死んでいった人たちのおかげという事になりますね。

この世界は当たり前としてこのようにあるというわけではない。二つの大戦がなければもっと早く今のような比較的自由な世界が現出したであろうと考えるのは、物事を簡単に考えすぎがちな人によくある、まあある種の妄想です。昨日あなたがパチンコで10万負けたとすれば、負けるパチンコ台に座ったからなのでしょうか、それともパチンコに行ってしまったからなのでしょうか?
太平洋戦争で死んだ兵士達は犬死であったという意見もありますが、それは全く正しくない。左翼とか右翼とか関係ない、そのような意見を語る人は、日本人の恥辱である。


資本論            
相対的剰余価値の生産
資本の蓄積過程
本源的蓄積
岩波文庫 第四巻
岩波文庫 第五巻
岩波文庫 第六巻
岩波文庫 第七巻
岩波文庫 第八巻
まとめ
廣松 渉 「マルクス主義の地平」


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マルクスを実際に読んでみようということで、まず「資本論」から。

しかしこの「資本論」、岩波文庫で全9巻というのだから手強いですね。1日100ページづつ読んで、自分に理解できたところだけでもここにメモして以いこう思います。


岩波文庫「資本論」一巻目を読んでみましたが、のっぺりした文体で同じような事を繰り返すような感じの文章の連続で、理解は出来るのですが読みにくい部類の始まりでした。

私の理解した限りでの「資本論」第一編をメモしておきましょう。
商品には一見その商品自体に価値があるように見えます。しかし資本主義の世界では、商品の価値というのは商品同士の関係によって決まってきます。商品同士が関係しあう、まあなんと言うか商品価値体系みたいなものが存在していて、その関係性の資本主義世界に入ることによって商品にはそれ自身価値があるように見えている、マルクスはそう言うのです。
それはそうでしょう。

資本主義以前においては、あらゆる存在は金色の糸で天とつながれていた。近代とはその金色の糸を切る歴史である。ヘーゲルはそんなことを言っていました。金色の糸を切られた商品群は、それ自身の価値を神ではなく商品同士の関係性に求めたという事ですね。
価値の関係性の中には価値の低い商品もあったり高い商品もあったりします。その商品の価値の高低というのはどこから来ているかというと、その商品にかけられた人間の労働力時間の長短による、とマルクスは論理を展開しています。
突き詰めて考えればマルクスの言う通りなのかな、なんて思います。

こんな感じで、これから一ヵ月半程度をかけてマルクスの「資本論」を読んでいこうと思います。

はじまったばかりだ。


資本論
絶対的剰余価値の生産            
相対的剰余価値の生産
資本の蓄積過程
本源的蓄積
岩波文庫 第四巻
岩波文庫 第五巻
岩波文庫 第六巻
岩波文庫 第七巻
岩波文庫 第八巻
まとめ
廣松 渉 「マルクス主義の地平」


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