この本は何でしようか。小説というわけでもないし、エッセイなんていう洒落たものでもないですし、まあなんて言うか、グダグダ本ですね。
内容はというと、これ別に内容というものないんですよね。書評を書くのもどうしましょう? こうなったら例えましょう。

「たとえます!」

昨日ブックオフに行ったんですよ。事前にネットで調べると、600円以上買うと110円割引のクーポンがあるのです。これはいいわー。このクーポンを印刷するかスマホで表示して店員に見せればいいらしいのですが、私、スマホもプリンターも持ってないんですよね。まあでも何とかなんだろ、と思いまして。600円以上買って、意気揚々とレジに行きまして店員さんに言いました。

「110割引きのクーポンを印刷してきました、頭の中に」

完璧だわ。だいたいさー、スマホのクーポン画面を見せればいいだけなんだから、これすなわち店員がクーポンの画面を見た事実が大事ではなく、クーポンの画面を見たと信じさえすればいいわけで。その辺は空気読むでしょ。店員、にっこり笑ったよ、いけるか、いけるか。

「ネタでしょう?」

なんやねんネタって。そんなネタあるかー。そもそも間髪入れずネタでしょう?って、おまえどんだけフレンドリーやねん。こいつあかんわ。あかんっぽい。でももうちょっと押してやれ。

「でも裁量というのもありますよね。フレキシブルな判断みたいなやつです。そういう裁量を持っている人ってこの店にいたりします?」

でたフレキシブル。フレキシブル最強。もうフレキシブルって言いたいために、ごねてるところもあるかも。いやそれはない。いくらなんでもそれはない。そもそもごねてないし。もう財布から1000円出して渡してるし。

「そういうのは誰が担当してもお断りしてます」

あっそ。頭来た。頭来たからブックオフポイントカードのポイント使ったろ。133ポイント? くほほ。全部使ったろ。133ポイントって結構貯まったよな。いっつも108円の本しか買わんへんのに。
店員、そういうの、って言いよったな。でも、そういうの、って何なん? やっぱり、クーポンを頭の中に印刷してきましたっていうヤツ、多いんちゃうん? 大事なのはお客がクーポンを見たっていうことで、そりゃー見たにきまってるよ。見てなきゃ110円とか言われへんやん?

「頭の中にクーポン印刷しました、なんていう人、他にいたりします?」

なんか店員、めっちゃ笑てるで。オレの話、徹頭徹尾ネタだと思ってんちゃうん? 春夏秋冬ネタだと思ってんちゃうん?

「一人もいないですね」

いねーのかよ。おらへんのか。ほんなら、そういうの、とか言ったらあかんのちゃうん? 言葉の選択ミスちゃうん? 
なんか暑いわ。もう帰ろ。隣のまいばすけっとで、プリン体ゼロの発泡酒でも買って、飲みながら帰ろ。
(以上の話は、実体験をもとに脚色したものです)

何が言いたいのかといいますと、町田康の「バイ貝」という本は、こういうたぐいのぐだぐだ話ということです。ただ登場人物は語り手一人なので、ぐだぐだ度合いというのはかなりのハイレベルです。


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