本は多数出版されていて、正直どれを読んでいいのかわからないというのはあります。それぞれの人が自分の好みの傾向に従って本を選択するのでしょうが、好みに従って本を選んでいたのでは偏ってしまうのではないか、本当は自分の好みという鉄の檻に閉じ込められてしまっているのではないか、そんな不安が沸き上がったりします。
では無作為に本を選んで読んでみよう、偶然というもので鉄の檻を壊してやろうと思いまして、佐伯泰英という作家の「酔いどれ小籐次留書 状箱騒動」という本を選択しました。
ブックオフに行きまして、100円コーナーにいる客が選んだあと最初に棚に戻した本を買うという方法で、偶然を担保しました。

文庫本の裏カバーのあらすじには、
「無事に仲人を務めた子籐次は水戸に旅立った。だが、街道筋で状箱が盗まれたことを耳にする。その強奪は何を意味するのか......」
と書いてあります。

読み始めると、子籐次は江戸の町人で、マジで結婚式の仲人を始めます。そもそもいったい誰の結婚式なの? 子籐次は説明なしで新郎新婦と仲良く喋っているけど。
調べてみると、この「酔いどれ小籐次留書 状箱騒動」というのは、酔いどれ小籐次留書シリーズの第19弾だそうです。
予想外でしたね。19弾? 人気シリーズではないですか。
小籐次が、シリーズを知っている人にはお馴染みなのであろう新郎新婦の世話をしたりからかったりで20ページほどです。これで水戸に向けて旅に出るのかと思いきや、小籐次は旅に出る前に近所へのあいさつ回りをはじめまして、これが30ページ。もう旅に出るのかと思いきや、近所のぼけ老人が行方不明になってみんなで捜すというので20ページ。やっと旅に出たと思ったら、荒川の先は何橋だとか、水戸藩が用意してくれたかごに乗るだとか乗らないだとかで30ページ。
結局、最初の100ページは何も事件が起こらないです。
100ページ以降事件が起こりまして、状箱なるものをめぐる子籐次と忍びとの争いみたいな。子籐次はやけに強いです。この状箱騒動というものを170ページほどで解決します。
ところがあと70ページほど残っています。これ、どうするのかと思っていたら、小籐次は水戸の職人に竹細工を教え始めます。水戸に竹細工を教えに行くのが旅の目的だったらしく、小籐次はアイツの竹細工はいいとか悪いとか、けっこう真剣に教えます。これが70ページ。トータル340ページです。

読んだ感触として、かなりのゆっくり小説ですね。この小説はお年を召された方向けのラノベ的なものだと思いました。正直、私が読むにはまだ早いです。

やはり本はランダムに選んでいたのではだめです。


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