私、母親が死んだとき、相続税の申告書を自力で書いて税務署に提出しました。税理士に頼んだら100万かかると噂に聞いて、なら、一ヶ月かかろうが二ヶ月かかろうが自分でやったほうがいいんじゃねえの、と思ったわけです。


一緒に暮らしていたわけではなかったので、銀行の預金あたりから調べ始めました。三つの銀行にキャッシュで200万ありました。相続税の申告をするときには銀行の預金証明なんていうのは必要ないんです。

税務署の人に

「銀行の預金というのは自己申告でいいのですか」

と聞いたら、

「ええ、いいですよ。怪しいと思えばこちらから調べますから」

と言っていました。


        無題



母親は自宅を含め6箇所に土地を持ってました。近場は市役所に行って、固定資産税評価の写し見たいなものをもらって、遠い場所は土地の登記簿みたいなものを取り寄せました。

登記簿を見て、母親の生きてきた足取りみたいなものを感じるんですよ。親が若いときというのは、もちろん私達は子供なわけで、その時々の親の思いというのは、一緒に暮らしていたといっても、一体として体験しているわけではないんですよね。登記簿を見て、

「ああ、あの時この土地を買ったんだな」

とか、

「あの時に、こっちの土地を担保に入れたんだな」

とか、親の決断というか、思いというか、そんなものが登記簿からなんとなく実感として分かるような気がするのです。


土地の場所と広さと形が分かれば、税務署にその土地の相続税評価額はいくらいくら、という本があるんですよ。それを見て、土地の値段を出すんです。その評価額というのは時価よりも二割ぐらい高い感じでした。


ここまでで1億でした。相続税というのは、昔は基礎控除が6000万で、相続人一人当たり1000万プラスなんですよ。私、妹が一人いるので、相続税の控除は8000万ということで、相続税支払い確定です。


自宅の土地には控除があるんですよ。相続人が何年かの間一緒に住んでいたか、もしくは相続人と被相続人が別居してても、相続人に持ち家がなければ、自宅は200㎡まで控除です。ただしこの控除を受けると相続から1年間、自宅を売ることができないんですよ。


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