世界はなぜこのようにあるのか、とたずねても普通誰も答えてはくれない。これがミステリーだと名探偵が世界の整合性を説明し、犯人が整合性の根拠となる告白を行う。しかし残念ながら実際の現実世界はミステリー小説ではなく、名探偵も登場しなければ犯人の告白も存在しない。 では世界説明というのは不可能なのかというと、じつはこれそうでもない。世界は強固な一体性を持って眼前に厳然と存在すると考えてしまうと手がかり足がかりはなくなってしまうのだけれど、世界は変化していて、その変化の境目にくさびを打ち込むことができると考えるならば、世界説明はある程度可能となる。