娘が言うには、この小説は乙女ゲーム「緋色の欠片」のノベライズ。乙女ゲームというのは女の子向けゲームの名称らしい。

内容は、普通の高校2年の女の子が実は巫女みたいな存在であって、5人の特殊能力を持ったイケメン男子に守られながら、鬼斬丸という怖そうな何者かを閉じ込めている封印を守るという。そして、ドイツ系らしい5人の男女が現れて、その封印を開放しようとするのでバトルになってそこで「つづく」となった。よく見るとこの本は、「緋色の欠片 -壱の章-」 となっていて、どうやら2章以降に続くらしい。

正直、乙女ゲーム小説は馬鹿にできないと思った。驚いたのは、そのハイテンポぶりだ。
主人公の高2の女の子は全く普通の女の子。彼女は田舎のおばあちゃんの家に行く。バス停からおばあちゃんの家まで歩こうとしたら変な森に迷い込んだ。彼女はそこで妖怪に襲われるのだけれど、イケメン高校生に助けられる。彼女が、助けてくれてありがとう、というと、彼は、君を守るのが自分の任務だ、という。ほとんど無言で彼は彼女をおばあちゃんの家まで送ってくれる。

ここまで説明は一切なし。何が何だかわからない。

彼女はおばあちゃんの家に泊まり、翌日からその町の高校に通い始める。どうやら彼女は転校生らしい。同じクラスに助けてくれた彼がいる。彼は、もう二人彼女を守る使命を帯びたイケメン高校生を彼女に紹介する。
彼らはなぜ彼女を守るのか。小出しに説明しながら、主人公の女の子と3人の男の子たちはすでに仲良くなっている。

と、ここまででまだ60ページだから。

この4人の関係性がよくわからないまま、彼らは学校の屋上で昼ごはんを食べる。その時に彼女がおばあちゃんからもらった手乗り狐(ナウシカのテトみたいなやつ)にみんなで名前をつけようという。みんなでワイワイキャイキャイ、決まった名前が結局「おーちゃん」。
この茶番に6ページ使っているからね。

この奇妙な緩急って、ちょっとすごいなって思った。