21世紀に入り中国の発展はめざましい。さらに言えば、もうめざましいというレベルではなく、世界はアメリカと中国との一騎打ちの様相を呈してきた。

だから中国のことを知るのも悪くないと思う。
歴史を、古代、中世、近代と分けた場合、中国の近代は宋に始まる。

不思議に思う人も多いと思う。宋は西暦960年、趙匡胤によって建国された。960年だからね。ヨーロッパの近代がルネッサンスに始まるとするなら、ヨーロッパ近代の始まりは14世紀半ばだろう。中国の近代開始は、ヨーロッパより400年遡ることになる。
普通ありえないと思う。進んだヨーロッパ様より遅れた中国が400年も前に近代に突入していたなんて。

しかしそもそも近代とは何だろうか? 宮崎市定は近代という言葉は使わずに近世と言っている。そして、ヨーロッパの産業革命以降を最近世(近代)と言っている。しかし近年の世界システム論などの議論によって、産業革命の地位というのは低下している。もう産業革命によって時代を区分する必要はないだろう。近世と最近世をあわせて近代といって問題ないだろう。

内藤湖南によると、近代とは「中世的な貴族の没落に伴い、庶民階級の興隆という命題」で捉えられるという。
これはありえる。
よく近代というのは封建制の後に来るものだという意見があるのだけれど、これはヨーロッパにおいて封建制の後に近代が訪れたということから推論されたもので、このようなものは根拠のないヨーロッパ中心史観であって、現代においては論ずるに足らない。
貴族の没落と絶対王権の確立とは並行的現象であって、ヨーロッパにおいてルネッサンス以降絶対王権が確立されたのと、中国宋王朝の絶対王権の確立というのは、宮崎市定の語るように、地域と時代は異なるけれども、歴史の平行現象と考えて問題ないと思う。

歴史というのは何百年ものターンで動くわけで、200年ほど停滞していた中国が21世紀になって目覚めたとして、これは別に不思議でもなんでもない。歴史から考えて、中国に底力があるだろうということは、日本が一番よく知っているだろう。