森絵都の「カラフル」という小説を読んだ。

自殺したはずの中三の男の子に、他の人の魂が輪廻転生するという設定の話だった。 ネタバレで申し訳ないのだけれど、結末は、他人の魂のはずだったのだけれど、実は自殺した中三の男の子自身の魂が自分自身に転生した、ということだった。

毎週土曜日は、近くのブックオフに行って、108円コーナーで読みやすそうな小説を買って、パチンコしながら読むというのが習慣化している。

で、この「カラフル]という小説なのだけれど、結局これでは、中三の少年が自殺し損ねた後、ちょっと分裂症的な夢を見ていたということになるのではないかな。なんせ、他人の肉体だと思っていたのが、実は自分の肉体だったというのだから。
この小説はアニメ映画化されていて、かなり評判がいいのだろうとは思う。これが感動作だとするなら、その原因は主人公の精神と肉体との明確な分離にあるだろう。
主人公の少年は一回死んだのだけれど、別の魂が充填されて運よくこの世界によみがえった。魂が別人だと思い込んでいる主人公は、けっこう自由に中学生活を送り、いままでのしょぼい世界から一歩踏み出すみたいな。
このような生まれ変わり体験というのは、精神と肉体との明確な分離の結果なのだけれど、そもそも「精神と肉体との明確な分離」というのは、この小説の初期設定だろう? 
初期設定に感動するというのも、ちょっと難しいね。

この本は250ページと短めなんだよね。初期設定を、最後同じ設定に収束させようというのだから、もっと内容的に波乱万丈あってもいいような気がする。 結局は夢落ちみたいなものなのだから。