則天武后とは、唐代の女性。 なんと中国史上、空前絶後の女帝。 別に女性が皇帝になって悪いわけでもないと思うのだけれど、いろんな条件が重なって、女性が皇帝になるというのは難しいというのはあるだろう。 現代日本だって、天皇は男しかなれないという法律があるぐらいだから。  

「十八史略」の則天武后について。  

「太宗崩ず。才人、歳二十四。尼となる」  

太宗というのは、唐朝の第2代皇帝李世民だ。武則天は李世民の側室だったから、李世民が死んだから、頭を丸めて尼になったのだろう。24歳は出家するには若い、女ざかりだろうなあ。  

「高宗、寺に幸(みゆき)し、これを見て泣く」  

高宗というのは、李世民の子で第3代皇帝。寺に行って、武則天の美しさにうたれて泣いたという。 もちろん、やっちゃったんだろうなー。 言っておくけれど、武則天というのは、高宗の父親である李世民の側室だからね。ちょっと禁断の愛っぽいよね。 

「時に王皇后、蕭淑妃と寵を争う。密かに髪を長ぜしめ、高宗に勧めてこれをいる。すでに入る。しかして后と淑妃とみな寵を失う。武氏年三十二、ついに昭儀より后となる。王、蕭みなために殺さる」  

まあ、女の争いも恐ろしい。男も恐ろしいけれど、女はなんだか別の恐ろしさがあるよね。武則天、32歳。ついに皇帝の后にまで上り詰めた。 日本では二十歳ぐらいの女性が一番いいと思っている男がメジャーらしいのだけれど、女性の一番いい時期というのはもっと上でしょう。武則天、32歳、最高です。  

「高宗、風眩に苦しみ、百司の奏事を視ることあたわず。あるいは皇后をしてこれを決せしむ。后、性明敏にして文史を渉猟す。事を処して、皆旨にかなう」 

 女性は美しいだけではなくて、頭もよくなくてはいけない。というか、頭のいい女性こそが美しい。これが分からない男が多すぎる。うちの職場にもいるんだよ、自分は高卒だから大卒の女性はちょっと、みたいなのが。 馬鹿の上塗りだ、今汝は画れりだ、あきらめたらそこで試合終了ですよ、だ。  

「高宗の世に在りて、后みずから子の弘を殺し、子の賢を廃す。高宗すでに崩じ、子の哲即位す。  后、朝廷に臨んで制を称し、もって武氏の七廟を立つ」 

鬼気迫るような感じになってきた。そういえば、自分の子供を食べて栄養にする母親の神様っていたよね。 

最後、武則天は皇帝になるのだけれど、この話ってちょっとおかしいよね。 まず、高宗が父親の側室を妻にするのがおかしい。それだけ武則天が美しかったといえばそれまでなのだけれど。 さらに、高宗というのが李世民の九男だということ。普通、長男が跡取りでしょう。まあ、いろいろあったと言われればそれまでなんだけれど。 あと、高宗が直接武則天に政治を任せたということ。普通、誰かをいちまい噛ませるでしょう。まあそれだけ武則天の頭の切れがよかったと言われればそれまでなんだけれど。 トータルで考えて、唐王室って 夷狄の匂いがするよね。 漢帝国とはおもむきが違う。 ローマ帝国と神聖ローマ帝国とが全然違うみたいなことに、ちょっと似ている感じがする。