ヒトラーとは何者か、ということを、多くの人は知らないのだろう。ポピュリズムをすぐヒトラーと結びつける人が多い。一度「わが闘争」を熟読してみたらいい。  ヒトラーの思想とは総力戦だ。日本で言えば、高杉晋作や北一輝のようなものだ。高杉晋作は、幕末、長州が絶体絶命の状態になったときに、奇兵隊という制度を導入した。奇兵隊とは農民以下の階層を武士階級に繰り入れるものであって、江戸時代の身分制度を否定する革新性があった。長州の人民の全てが戦うという状況が現出し、第二次長州征伐において長州では、祖国防衛戦争の様相を呈した。こうなると負けようがない。結果、明治維新だ。  ヒトラーの総力戦思想も、枠組み的には同じものだと思う。  ヒトラーは大衆を馬鹿にしていたといわれるけれども、これも違う。ヒトラーは大衆をよく知っていたし、逆に自由主義者を馬鹿にしていた。戦争において、兵隊には様々な階層が強制的に集められる。インテリと労働者など、普通では出会わない人同士が出会うんだよ。勝新太郎の「兵隊やくざ」やレマルクの「西部戦線異状なし」を観てみればいい。 ヒトラーも第一次大戦に従軍したから、様々な人に出会ったであろうと思う。ヒトラーが、大衆に対して何らかの意見を持ったということはありえるだろうが、大衆を馬鹿にしていたということはないね。  普通に考えて、大衆を馬鹿にする度合いというのは、みんなで頑張ろうと考える者より、頑張れる者だけ頑張ろうと考える自由主義者のほうが激しいだろう。自由主義インテリ層というのは、下層階級の人との接点というのが、そもそもあまりないんだよね。小学校の時に変な子供がいっぱいいたナーという記憶があるぐらいではないだろうか。   小池百合子は自由主義右派だね。総力戦思想とはその世界観が根本的に異なっている。