25年位前か、私、大学に通っていた時期があった。 体育会のバレー部に所属していて、正直大学ではバレーをやった記憶しかない。同期の女バレと男バレ、仲がよくてね、みんなでよく旅行とか行っていた。 昨日、お盆で名古屋に帰る人も多いからというので、名駅の居酒屋で女バレと男バレ旧交を温めることになった。  当時は、若い男と女だから、付き合ったりとか別れたりとか、正直そんなこともあった。男女バレー部内で結婚したカップルも複数いるし、それぞれが家庭を抱えた今となっては、とても喋ることが出来ない出来事もある。  久しぶりに会う女の子(今では美魔女)もいるし、喋っていい昔話の過激具合を判断するのも難しいな、とは思った。   実際に飲み会が始まって、まず様子を見る。ターゲットを探す。  うちのかつてのエースがやけにおとなしい。話によると、彼は今では子煩悩で仕事も出来るいい父親だということになっているらしい。  ふざけるな  お前、大学時代、ゲスぶり丸出しだったろう、あのギラギラした目はどうした?  飲み会が進行していく間、私はエース君を昔話を絡めて押したり引いたりしてみた。  その時、女バレのヒロインがフォローしてくれた。  「そういえば部室でエース君に、減るもんじゃないんだから一発やらせろ、って言われたことがある。 最低って思った」  さすがヒロイン、空気を読んでくれた、ぎりぎりセーフの語りを提供してくれた。その後、私にはやらせろっていわなかった、なんていうことも言われて、エース君は、「なら、言ったらやらせてくれたのかよ」 みたいな、「そんなわけないでしょ」 みたいな。  昔を思い出しながら、みんなで笑って、オチもついて安心できて、本当に楽しかった。