同じテーマの3つの短編映画を、一つにまとめたみたいな感じの映画だった。 これはこれで悪くないと思った。    3人の主人公のうちの誰が殺人犯か? というのがトータルでのミステリー要素ではあるのだが、その辺はべつに詮索する必要もないだろう。可能性としては誰でも犯人でありえるわけだし。  問題は、殺人犯以外の犯人候補までが、最後の言葉を回収されてしまうということだ。周りのやつらが、善意という名の下に、自分のぶっちゃけ話をてこに犯人候補に最後の言葉を要求する、というのが3つの話に共通している。  漁港のオヤジは、自分の娘は歌舞伎町で働いていたから、もうまともな結婚相手は見つからないだろう的な話をする。これはいいすぎだろう。 都会暮らしのホモは、自分の母親のホスピスに犯人候補の友達を連れて行く。そんなところまで行って、母親に友達を紹介することもないだろう。  こいつらの場合は、その知り合いは犯人ではなかったのだから、結果的に相手に対する要求が過大だったということになるだろう。そもそも殺人犯でもないのに、告白を求められる筋合いはない。  論理的につめれば、このようなことになるのだけれど、誰もが告白を求められてしまうということがありえるというね、この世界のささやかな苦しさを、この映画は地味に表現している。