安倍総理が総力戦とか言っちゃって、着実にウイングを左に伸ばしてきた。民進党は、その地盤が侵食されても抵抗できない。民進党のメインスポンサーは連合で、すなわち大企業の正社員だ。大企業の正社員というのは、今となってはある種の既得権益者であって、明らかに労働者の代表ではない。安倍総理が総力戦を呼号しているのに、民進党は、正社員も守ります派遣社員も守ります、などという全くとぼけきった、哲学の欠片もない論理を展開してしまった。   自民党の左はすぐに共産党だ、という状況において、民進党の地盤はすでにない。いくらマスメディアが左巻きで安倍を追い詰めようとしても、存立の基盤のない者にとっては、敵に対するネガティブキャンペーンぐらいしか作戦はないだろう。残念なことに、このネガティブキャンペーンが成功したとしても、票を増やすのは共産党であって民進党ではない。存立の基盤のない政党の前を、有権者は通り過ぎるに決まっている。    政権をまじめに取ろうとするなら、安倍の右に出るしかない。小池百合子東京都知事の都民ファーストの会というは、その点、民進党よりはるかに有望だろう。都民ファーストというネーミングが、ちょっと全く右の臭いがする。この臭みを、小池百合子、女性、レディーファースト、という連想で消しにきているのだろう。都民ファーストというのを、ぶっちゃけて言い換えてしまえば、金持ち貴族主義ということだろう。なんせ東京の土地は高いから、東京で親から土地を相続するものは、それだけで地方よりはるかに金持ちだ。  安倍総力戦体制、対、小池金持ち貴族主義。 生臭い名前同士の戦いなのだけれど、現状の政治闘争の本線というのは、この辺りにあると思う。