今47歳なのだけれど、若いころは恋愛もした。大学の時好きな女の子が出来て4年間追いかけ回した。ストーカーみたいなことをやると嫌われるから、一応好きだということだけは伝えて、2週間に一度ぐらい電話する関係を4年間。その間に彼女は、彼氏を2回ほど変えた。そんなことにもめげず、最終的には彼女に「自分の好きな人は実はそばにいたんだ」と思わせる状況に持っていけた。童貞だったのだけれど、何回かやらせてもらったら、私の彼女への恋愛感情はきれいに昇華した。    あの情熱ってなんだったのかなーって思う。今、とてもそんなことは出来ない。エネルギーが落ちたというよりも、女性ってこんなものだろうみたいなことが分かっちゃったからだろう。   今でも男だから、前を歩いている女性のお尻がすばらしくて、胸にグッとくるというのはある。でもそれだけで、ただのお尻だし何をどうしようとも思わない。しかし自分の若いときは、女性の人格ごと胸に来るみたいな感じで、これはもう抵抗できないんだよね。  性欲って根源的な欲望ではあるけれども、制御不可能というほどのものではないだろう。性欲という一般的な欲望が、個別というものに凝縮されると、強力なる怪物になるんじゃないだろうか。言い換えると、性欲が個に凝固すると、人格という意味内容を付加されて、巨大な姿となって迫ってくる。  私の場合、最終的にやらせてもらったからいい想い出だけれど、下手をすれば時間の彼方への忘れ物みたいなことにだってなりかねなかったわけで、本当に危なかった。  25年前か、シーツを胸元まで上げていた彼女は美しかった。美というのは普遍にではなく個別にある。