白楽天はいい。杜甫よりトータルで上だと思う。詩聖に対して、このようなことを言うと申し訳ないのだけれど、杜甫ってなんだかじめじめしているような気がする。日本で言えば、太宰治みたいな。読んでいてテンションの下がるのは、いい気持ちがしない。   

 白楽天 「長恨歌」 

 玄宗皇帝と楊貴妃との、全く哀れな物語。傾国の美女、楊貴妃のせいで、皇帝は政務をないがしろにして、楊貴妃に溺れる毎日。そして安禄山の乱が起こって、皇帝は都を捨てて逃げる。皇帝の楊貴妃に対する特別な恩寵を不満に思っていた兵士たちは、楊貴妃の処刑を要求するに至る。そして、楊貴妃は死に玄宗皇帝は生き残るという、まあそういう歴史的事実がある。
   

 楊家に娘ありて初めて長成す   一朝 選ばれて君主の側にあり  


傾国の美女楊貴妃現る、というわけだ。では楊貴妃とはどれほどの美貌なのか。「長恨歌」の最初のつかみだ。美人を美人だと表現するにはどうすればいいだろうか。ぶっちゃけて言えば、落とそうとしている女の子になんていえば、その女の子は落ちるかみたいなものだろう。さあどうする? 当たり前の事実だけを言ったのでは、彼女はうっとりしない。   
 

 瞳をめぐらして一たび笑えば百媚(ひゃくび)生じ  六宮の粉黛(おしろいをつけている女たち)顔色なし   


本人を持ち上げておいて、さらに回りを落とすという。あっさりしていて、にもかかわらず効果的という。 よいしょされて、まわりを下げられて、気持ちよくなるななていうのは人間の弱さだろう。その弱さを臆面もなく突いてくる白楽天って憎めないなって思う。

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