ヒトラーの言論自体は合理性にあふれいてる。よく言われるのが、きわめて民主的なワイマールからヒトラーが現れた、ということなのだけれど、ヒトラーの言説を加味して考えると、これは間違いだね。普通選挙があってそれによる議会が存在しても、それだけで民主主義とはいえない。民主主義には、国家がその成員の能力を引き出すシステムを持っているという条件がなくてはならない。社会保障、生活保護、最低賃金、労働関連についての法律の強制力、所得を平均させるような税制、はたしてこのようなものがワイマール共和国に存在しただろうか。もし存在していなかったとするなら、ワイマールは民主国家ではなく、金持ち支配制国家だ。   金持ち支配制国家のたちの悪いところは、これらの国家の支配者層は自らの国家を民主国家だと主張するところだ。普通選挙が行われているから民主国家でしょ? というわけだ。 馬鹿が。 そんなものにだまされてはダメだ。金持ちの支配者層が自分に都合の良い事を言っているだけ、そのようなことでは国全体が合理化できない。どことはいわないけれども、普通選挙は行われているのだけれども、いつまでたっても発展途上国っていうのあるだろう? その原因は金持ち支配制国家と民主国家を取り違えているせいだろう。   ヒトラーは、金持ち支配制国家を民主国家に合理化しようとしたのだと思う。   さらに独ソ戦についてなのだけれど、私は今まで、ヒトラーはチンピラだと思っていたから、独ソ戦の原因を勘違いしていた。ヒトラーは戦争状態の継続を望んでソ連に攻め込んだと思っていたのだが、これを、ソ連を甘く見ていたから、という理由に訂正する。日露戦争でのロシアの敗北、第一次世界大戦でのロシアの崩壊と共産化、アーリア人種優位思想と共産主義への蔑視観念、これらのものが重なって、ヒトラーはソ連を甘く見すぎたという見解に変更する。そうなるとこのあたりは、日本が中国を甘くみすぎて、日中戦争の泥沼にはまったことと重なってくる。  確かにヒトラーの思想や実行力というのは、ずば抜けたものがあった。しかし相手もそれなりに頑張る力があったわけで、ずば抜けているから自分は変えられるだろうが、相手も変えられるという訳ではなかったということだろう。