プラトンは人間の個別の魂が不死である、とまでは言っていないが、ただプラトンの「国家」の最後に、天国と地獄の言い伝えみたいな説話が採用されている。正義を実行した度合いによって、人間の魂は個々に天国と地獄にある一定時間振り分けられるみたいな。

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【プラトンの魂についての考え方】


プラトンがなぜ「国家」という書物の最後に、このような伝説を収録したのか、ちょっと不思議な感じがする。プラトンぐらい明晰な思考をするなら、無神論を唱えても全く違和感がないしという意味で。   

正義を実行したりしなかったりするから天国に行ったり地獄に行ったりするのだろうか。論理は逆なのではないだろうか。プラトンは、正義を確定したから、天国や地獄に行ったりする個別の魂を必要としたということもありうる。さらに言えば、プラトンが正義を確定しうるような価値の秩序を作ったことによって、個人別の魂というものが必要になったとも考えられる。

これをトータルで考えるとするなら、正義を引き出す価値観の序列を形成するほどの何らかの力が、私達の死後の魂は存在するという推論を、さらにそのアンチテーゼである無神論を支えているだろうと思う。   

死後の魂などという概念や無神論の必然なるものは、ある特殊な社会状況における帰結であって、唯一の形式というわけではない。  

すなわち、死ねば虚無であるということが疑問であるのと同様、死んで個別に魂が天国か地獄かに振り分けられるということも疑問だろう。ただ、この世界で正義を信じたのなら、死んだ後個別の魂が天国か地獄に振り分けられるかもしれないという覚悟は必要だろう。  

魂なるものは真理ではなく設定なんだろう。


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