始皇帝と荊軻(けいか)との対決というのは、十八史略の中でも屈指の場面だろう。これを書き下し文と完全現代語の中間的な感じで書いていきたい。  
登場人物の説明として、秦王『政』とは未来の秦の始皇帝のこと、樊於期(はんおき)とは、秦から燕(えん)に逃げてきた秦の将軍。丹(たん)とは燕の皇太子、そして荊軻(けいか)とは伝説の刺客。
 

燕王『喜』の太子『丹』、秦に人質たり。

秦王『政』、丹に礼節なく、丹、怒りて燕に逃げ帰り、秦を恨んで報復せんと欲す。秦の将軍『樊於期(はんおき)』罪を得て、燕に逃ぐ。丹、受けて樊於期に保護す。丹、衛人『荊軻(けいか)』の賢なるを聞き、礼を厚くしてこれを請う。
 
丹、秦に荊軻を送り込むことを欲す。荊軻、丹に樊於期の首と燕の地図を秦王に献上することを請う。

丹、樊於期を殺すに忍びず。荊軻、直接『樊於期』に諭して曰く、「願わくは将軍の首を得て、秦王に献上せん。必ず喜びて荊軻を謁見せん。荊軻、左手に秦王の袖をとり、右手でその胸を付かば、すなわち将軍の仇は成就し、燕の恥はすすがれる」

  
樊於期、ガイゼンとしてついに自らの首を切る。太子丹、走りてゆきて首に涙する。荊軻、その首を箱に盛る。またそして天下の短刀を求め、毒薬をもってこれに塗りこむ。この短刀を人に試みるに、血少にしてたちどころに死す。

  
ついに荊軻を秦に送り込む。荊軻、行きて易水という川に至り、歌っていう 

「風しょうしょうとして易水寒し、壮士ひとたび去りてまた還らず」 

その時、白虹、日を貫く。  

 荊軻、秦の都「咸陽」に至る。秦王政、おおいに喜んでこれを見る。

荊軻、燕の地図を奉って進む。

図、広げきわまり短刀が現れる。秦王の袖を取り、これを突く。いまだ身に及ばず。王、驚き立ち上がり、つかまれた袖を引きちぎり、そして荊軻、これを追う。柱をめぐりて走る。 
 

秦の法、殿上に持するものは寸鉄も帯びず。左右の臣、なすすべなく、そして言う。 

   「王、剣を背負え」 

秦王、ついに剣を抜き、刺客の左足を切り下げる。荊軻、短刀を王に投げ打つ。当らず。荊軻、殺される。  秦王、大いに怒り、兵を発して燕を撃つ。遂に燕を滅ぼして郡となす。




テロリスト荊軻、かっこよすぎでしょ


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