「ツァラトストラかく語りき」は恐ろしい本です。

ツァラトストラは言うのです、人間とは「超人」なるものにいたるまでの過渡的な状態であると。で、超人とまではいかないのですが、超人に近い人間というのはどういうものかというと、ざっくり言ってしまうと、

「自分で考え、自分で判断し、自分で行動する人間」

ということになります。この基準におおよそ基づいて、ニーチェはこの本の中で、こういう人間は超人に近いとか、こういう人間はダメ人間だとか、延々とやります。現代人は自分で考えたり考えなかったりして日常をやりくりしていますから、ツァラトストラを読むと、

「あれっ? オレってこの部分では超人に近くね?」
「あれっ? オレの周りのヤツってダメ人間じゃね?」

みたいなことになります。ニーチェを読むっていうことは、それなりの知能レベルを自覚しているということですから、余計にニーチェの罠にかかりやすくなるということになります。

私の高校の時の友達でニーチェを読むやつがいて、そいつは高校二年のときに
「magam 周りをよく見てみろ。群畜ばかりだ」
と言うようになって、そのあと病気みたいになって高校を中退してしまいました。今から考えると、ニーチェに釣られたのだと思います。そいつ頭がよくて、高校二年でニーチェを読んで、さらに趣味はスペイン語だというのですから、今から考えると不思議な気持ちすらします。

そいつ今、東大文学部の准教授です。

ツァラトストラかく語りき、是非読んでみてください。ちっぽけである自分を見失わないように。


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