日本古代史って進歩するんですね。高校で習ったのと全然違う。

結論から言いますと、古代日本において、任那という朝鮮植民地なんてものは存在しないね。日本書紀をマルマル信じると、あたかも日本は朝鮮半島にかなりの権益があったかのように思ってしまうけど、日本書記は天武天皇の時代に書かれたもので、割り引いて読まなくてはいけないというのは合理的な考え方です。

私も日本人ですから、古代日本が朝鮮半島にまで強い影響力があったなんて思えば悪い気持ちはしないです。でもね、事実に即して物事は考えていかないといけません。古代史なんていうのはパズルみたいなものですから、思い込もうと思えば、なんとでも妄想を膨らますことは出来ます。ただ中国から朝鮮半島を通して、文明が日本に流れ込んできたのは間違いないわけですから、日本が朝鮮半島に強い影響力を持っていたと考えるより、朝鮮半島から流れ込んでくる文明を倭国の貴族が独占することで日本を統一できていた、と考える方が普通ですよ。

「日本の古代」というものは、ある種微妙な時代です。天皇の根源というものに触れざるをえないですから。でも、あの戦争から70年です。天皇は神聖であるとか、天皇は平和主義であるとか、ウンザリするようなイデオロギーの呪いを振り切って、リアルな天皇というものを考えていかなくてはいけないと思います。