日本は人口の増加と停滞をそれぞれ4回繰り返しているそうですよ。

3回目の人口増加は、室町後期から江戸時代前期。江戸時代後期は人口が停滞します。家父長的家制度、妻は内から家を支えるべきという女性観、男も女も家を構えて一人前という皆婚制などの現代において保守的とされるイデオロギーは室町後期から徐々に始まって、江戸時代後期に完成しました。

室町以前においては、家父長的家制度なんていうものとは違うもっと別の価値基準みたいなものがあったのだと思います。そのかつて存在したであろう価値基準と新興観念である家父長的家制度という価値基準が、江戸時代前半においては競り合いながら共存していたと思います。人口が増える成長期には古い価値観でも残存することは可能でしょう。日本経済が調子のいいときはダメな会社でも存続していける、みたいなものです。しかしこれが人口の停滞期にはいると、競争力のない価値観というのは急速に駆逐されるでしょう。結局、現代から過去を見ると一つ前の価値観、すなわち家父長的家制度は理解できるのですが、もう一つ前の価値観というのはよく分からなくなってしまうのです。

そして現代。
2000までの日本の人口の増加というのは19世紀半ば頃から始まっています。ですからこの150年間は古い価値観と新しい価値観の競争的共存の時代でした。古い価値観とは家父長的家制度、新しい価値観とは個人の自由な精神、ということです。人口が増えている間は、二つの価値観を抱える社会的な余裕があるのですが、人口が停滞してくると古いほうの価値観は淘汰されるでしょう。
もう日本の人口は減り始めています。
家父長的家制度てき観念はこれから急速に消えていくでしょう。女性は家にいるべきだとか、女性は頭がいい必要がない等と考える男性は、結婚できない事、もしくはその子供が結婚できない事によって必然的に淘汰されていくでしょう。そして200年もたてば、家父長的家制度というものがなんだったのかということすら忘れられてしまうでしょう。