日本は明治維新以降国民国家として立ち上がり、太平洋戦争後も統一国家日本として経済発展に邁進してきました。
戦後も、日本は単一民族とか、均質な思考パターンの国とか、瑞穂の国、海に囲まれた島国とかその統一性を強調するような言辞にあふれていました。

ペリー来航以降ウエスタンインパクトにさらされた日本は、結局強く固まって、日本の独立を守るための苦難の歴史を歩んだのです。そんな歴史のテクストのなかでは日本人均質論というのが必要だったのでしょう。
しかしバブル崩壊から25年。低成長が必然となる中、一つの日本というものを強調する必要がなくなってくれば、多くの日本というものを語る余裕が出てきているのです。網野善彦の東日本と西日本の根源的な違いについての指摘とか、赤坂憲雄の東北学なるものとかは、このような歴史の流れの中にあると思います。

一つの日本というイデオロギーの霧が晴れてくれば、多元的な日本が姿をあらわしてきたという事なわけで、こういうことは日本の成熟だと思います。

日本は苦難の歴史を乗り越えつつある、という楽観的な認識を私は持っています。しかし世界はそうではないですね。西欧とイスラムの対立というのは、現状厳しいものがあります。世界のために日本とアジアの智恵を生かすときが来る事もあるのではないでしょうか。

遠い未来には。