鶴見俊輔は戦前戦後の転向についてこだわっているみたいです。

丸山真男は、
「日本人の転向」は日本人特有の現象である。日本人の精神の中には観念が並列に並んでいて、その時代にふさわしい観念を引っ張り出しているに過ぎない。
ということを言っていました。
戦前における共産党党員の転向とか、戦後における、皇国主義から民主主義への日本人全体の転向についての解説です。

しかし、日本人がみんながみんな転向したわけでもないのですよね。女性とか、農村における常民とか、変わらないものを持ち続けた人たちというのも存在したわけです。結局、生活に根ざしてあるものは変わりにくいし、生活と切り離された論理というものは変わりやすい、転向しやすいということなのでしょう。

昭和の歴史というのは、男はどのように変わっていったかという歴史でしょうが、逆に考えると女はどのように変わらなかったか、というふうにも考えられます。

私の妻なんて、本当に頑固なのです。
子供がゲームボーイという携帯ゲーム機を片付けるのを忘れたのです。怒ってゲームボーイを隠してしまって、お願いしても頑として出さないのです。
隠し続けること2年。
子供もそろそろ反省しただろうという事で、ある日突然おもむろに出してくるのです、ゲームボーイを。
そのころには子供達はゲームボーイの次世代ゲーム機DSをピコピコやっていました。

女性の中にこそ変わらない日本があるのではないでしょうか。それがいいとも悪いとも思わないですが、すごいとは思います。