平成維新というのありますよね。あれって昭和維新のオマージュだと思うのですが、あの人たち、本当に昭和維新のことを知っているのでしょうか。

私は子供のころ寝る前にかさぶたをさすりながら寝ると気持ちよく寝れたのです。ある種の自己確認というか、自己愛撫というか。昭和初期の本を読むと、昔のかさぶたをさすって自己愛撫していたころを思い出します。

日清戦争前後に日本は帝国主義の道を歩み始めます。その頃から青年の精神に、

立身出世に対する欲望と
人生の真理とは何かというような哲学的な希求

この二つの相反する精神的欲求が見られるようになります。

これってすごくよく分かる。私なんて、人間とはなんなのか、ということが知りたくて名古屋大学の生物学科にまでいったのに、DNAなんかでは人間を理解することは出来ない、なんて悟っちゃって大学中退して、今はトラックドライバーですから。
この前高校の同窓会に行ったら、かなりの人間が医者と歯医者と弁護士と税理士になっているのです。あいつら、高校のときは何も考えていないように見えたけど、親の職業に忠実に血族としての欲望をそれぞれが実現しているのだな、と感心しました。

私は人生の真理というものに溺れてしまったのですね。
まったく後悔はしていませんが。

人生の真理というものに溺れてしまった人というのが昭和初期以前には多いのです。もう、一人ひとりが私にとって愛すべき人物です。

朝日平悟
渥美勝
安藤輝三
相沢三郎

今の日本というのは平和すぎ。それは悪い事ではない。でももっと濃密な日本がかつてはあったなんて考えると、自己確認をしながら眠りについた子供の頃を思い出します。